日本薬草効能図鑑

日本の薬草・ナンバンギセルの効能について

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ナンバンギセル

ナンバンギセルの写真

ハマウツボ科

ヤコ(野菰)
万葉集に「道の辺の尾花が下の思い草、今さらになど物か念はむ」という一首がありますが、この[思い草]が今にいうナンバンギセルと考走されています。この事は葉緑葉を持たないで、歌にあるように尾花の根元にだけ寄生し、花をつけ、種子を実らせそれてるえるという独特の生態の植物です。ときにはミョウガにも寄生し、かつては小笠原諸島でサトウキビに大発生したともいわれるほどひろく分布します。最近は園芸界でヤクシマススキの盆栽上にこの種をまいて発生させ、秋の美しい淡紫紅色の花を並立させて観賞するほどに愛好されています。

ナンバンギセルの効能

開花期の全草を陰干しにしたもの10~15gを600~800ccの水で半量に煎じつめたものを飲むと、尿路感染症(ウイルスなどによって引き起こされる腎臓炎や膀胱炎、尿道炎など)による痛みや骨髄炎などに効果があるとされています。また全草を陰干ししたものは黒変しますが、これを一ヶ月以上焼酎に漬けこんでおいたものを、少量ずつ飲むと強壮作用があるともいわれています。成分としてはエジネテン酸やエジネトライドなどの化合物が知られていますが、有効成分の薬理は不明です。

採り方

少し湿り気のある原野、とくに山すそで、ススキがあまり茂らない株の根元を探すとみつかります。花期は8~10月。果期は9~11月。

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