日本薬草効能図鑑

日本の薬草・オウレンの効能について

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オウレン

オウレンの写真

キンポウゲ科

オウレン(黄連)
『神農本草経』という中国上代の薬草の古典には「上品」と分類されるほどの大切な薬草で、古来四川産を良としていましたが産量が少なく、江戸時代には良質で量産する日本品が中国へ輸出されるようになり、今も東南アジアに輸出されています。アジアに特産するオウレン属植物はビルマ、インド産の各種にまで開発が進んでいるほど重要な生薬資源です。

オウレンの効能

食欲不振には,根茎の日干しを一回量0.2~0.3g食後に頓服します。下痢や食中毒には,一日量1~2gを200~300ccの水で煎じて、食後3回に分けて温服します。扁桃腺、口内のただれ、のどのただれ、歯ぐきの痛みには、一回量2~3gを水300ccで半量に濃く煎じつめ、冷ましてうがいします。消炎、解毒の作用があるアルカロイド(ベルべリン、パルマチン、オーレニン、コプチジン)が含まれています。洗眼料として煎液で洗うと結膜炎にもよいとされています。漢方でいう苦と寒の性が勝っている薬物であることから、健胃剤として長く服すると胃をそこなうので注意が必要です。虚弱体質や重病人には使わないほうがよいでしょう。コレラ菌、チフス菌、赤痢菌に対する抗菌作用が報告されているほど腸内殺菌力があります。

採り方

杉林の林下陰地で水はけのよい北斜面に群生します。兵庫、福井、鳥取県などが主産地で、表日本での生育はあまりよくないです。花期は3月。果期は5月。

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