日本薬草効能図鑑

日本の薬草・アカザの効能について

アカザ

アカザの写真

アカザ科

アカザの杖は軽くて丈夫で、中風の予防に効くという信仰があります。芭蕉の「やどリせむあかぎの杖になる日まで」の句にもこれが象徴されています。中国大陸からの古い渡来帰化植物ですが、1000年も前の『新撰字鏡』や『和名抄』にもみえるなど食用に重用され、太平洋戦争中や戦後には代用食にされたほどです。しかし体質によってはアレルギーを起こしてむくみやかゆみを訴えることもあることから、食、薬ともに少量から試用することが望ましいとされています。

アカザの効能

古書には18もの用法が記されていて、歯痛や口中の腫れや痛み、のどの腫れなどに、全草の黒焼きを塗ったり、口に含むとよいとされています。全草を干して、毎日20gを煎服する
と中風の予防や治療になりますが、岐阜と新潟両県の例ではアカザ10gに甘草少々を、0.5㍑の水で煎じて一日3回に分服する法が伝えられています。この若芽や若葉にはアミノ酸、脂肪酸、ビタミンA・B1・Cなどが含まれるので、少量の水を加えミキサーで青汁に作り、毎朝コップ1杯ずつ飲用する人もいるようです。この場合には葉の表面のキラキラ光る粉をよく水でもみ落としてから用います。

採り方

葉芽の赤いアカザ、青白いアカザ、また花の早いコアカザなど、同類はいずれも有機質の多い荒れ地に群生し、これらの薬効にはどれも大差はないとされています。

漢方薬生薬一覧漢方薬生薬一覧
漢方薬症状別ガイド漢方薬症状別ガイド
日本の薬草日本の薬草