日本薬草効能図鑑

日本の薬草・クワの効能について

クワ

クワの写真

クワ科

クワには養蚕とともに伝来したカラグワ(唐桑)と,山野自生のヤマグワがあります。昔からクワの枝で箸(はし)を作って中風の予防にする習わしが知られ、水戸黄門がつくらせた民間薬の宝典『救民妙薬』四百法の巻頭にも中風の薬として蚕のふんやクワの葉が掲載されています。伊豆諸島、特にに八丈島に産するパチジョウグワは大木となり、桑材として家具に賞用されます。

クワの効能

葉を用いるときは6月頃日干し(桑葉)にします。一日量10~20gをコップ3杯の水で半量に煮つめてお茶代わりに飲むと、補血、強壮,動脈硬化の予防、風邪熱の発散、せき止めなどに効きます。ビタミンB1・ビタミンA、カロチン、エルゴステロール、フラボン成分を含むことが報告されています。クワの根の皮(桑白皮)にはアルファアミリンが含まれていて、一日5~10gを煎じて飲むと消炎、利尿、せき止め、呼吸困難などに良いといわれています。百日ぜきやせきこみがひどいときは、この根皮と、キキョウの根、ヤブランの根の干したものを3gずつ混ぜて煎服すると痰がとれるらしいです。クワの実の薬酒(3倍量の焼酎に氷砂糖を加え、1カ月漬けて作る)は五臓を補い寿命をのばすといわれています。

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