漢方薬の種類と効能

高血圧に効果的な漢方薬

高血圧


高血圧に対する漢方治療の目標は、主に随伴する自覚症状の改善になります。血圧降下作用が確認されている漢方薬もありますが、一般的に西洋薬のような即効性、十分な降下作用をもっていません。また、漢方薬と西洋薬を併用することにより、血圧降下作用が増強するという事実もありません。一方で、焦燥感、不安感、動悸、肩こり、めまい、頭重感、頭痛、のぼせ、不眠などの随伴症状に対しては、漢方薬は一定の効果があると確認されています。このような随伴症状に対して西洋薬においても、マイナートランキライザー、筋弛緩剤、血管拡張剤などが有効ではありますが、副作用の出現という視点でみると、漢方薬に優位性があります。漢方薬の副作用はきわめて稀ですが、甘草が1日量1g以上配合されている薬では副作用としての高血圧に注意が必要です。このような薬では、偽アルドステロン症として低カリウム血症、ナトリウムおよび体液の貯留、浮腫、体重増加、血圧上昇の危険性があります。この副作用は甘草に含まれるグリチルリチンのステロイド様作用によるものとされています。甘草の配合量が多い場合は少量でも血圧上昇に対する配慮が重要になります。高血圧、とくに中等症、重症高血圧に対しては、西洋医学的治療が優先されます。漢方治療は、随伴症状の改善には有効ですが、軽症高血圧で、降圧剤の投与を必要としない生活指導の段階で漢方治療を積極的に導入して高血圧の重症化を予防することが重要になります。

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