漢方薬の種類と効能

漢方薬の種類や効能を紹介

漢方薬の特徴

穏やかな作用と様々な効能

漢方薬の特徴は、通常2種類以上の生薬を用いた複合剤という点にああります。多種の成分が含まれる生薬を特定の組み合わせで調合し、複数ブレンドすることで、含まれる成分はさらに多種多様となり、その作用は穏やかで様々な効果・効能があります。また、用いられる生薬はすべて天然産で、それらをできるだけ自然に近い形で用いることも特徴の一つです。

漢方薬の種類

漢方薬の剤型は、主に散剤、湯剤、丸剤の3種類に大別されます。

散剤

基本的に漢方薬は煎じ薬ですが、生薬を細かく刻み、挽いて粉薬にしたものもあります。これが散剤で「当帰芍薬散」などのように末尾に「散」という文字がついています。

湯剤

湯剤は煎じ薬のことで、末尾に「湯」がつきます。「当帰芍薬散」も煎じ薬として用いられ、その場合は「当帰芍薬散料」と表現されます。煎じ薬は、漢方薬の7割ほどを占めます。

丸剤

丸剤は散剤を蜂蜜などで練り固めたものをいい、「八味地黄丸」などのように「丸」がつきます。「丹」「円」がつくこともあります。

その他の剤型

上の3種類以外には、生薬をごま油や蜜蝋で溶いた軟剤、湯剤を凍結乾燥したエキス剤などがあります。

効能が出るまでの時間

剤形によって効能が出るまでの時間が違ってきます。最も早いのが湯剤で、次が散剤、そして最も穏やかに効いてくるのが丸剤です。症状や服用期間に応じて使い分けられます。

注意が必要な生薬

甘草(カンゾウ)

甘草は偽アルドステロン症を誘発する可能性があるため、甘草含有処方が複数処方されている場合や、利尿薬との併用については十分に注意する必要があります。漢方処方以外にも、甘草含有製剤やグリチルリチン酸およびその塩類を含有する製剤なども存在するため、甘草含有処方の服薬指導を行う際には、むくみなどが生じたら速やかに医師・薬剤師に相談するよう、注意をする必要があります。

麻黄(マオウ)

主成分のエフェドリンが動悸を誘発する。また高血圧症などに影響を及ぼす可能性があります。また、麻草含有製剤と気管支拡張剤などとの併用で副作用が強く出る可能性があるため、特に高齢者は服薬の際に注意が必要です。

附子(ブシ)

附子含有処方では、中毒に注意する必要があります。附子中毒は服用後30分~1時間以内に生じ、口や舌のしびれ、嘔吐、動悸、のぼせなどが現れます。ただし、エキス剤では中毒は現れにくいとされています。

大黄(ダイオウ)

大黄の効果は個人差が大きく、少量でも腹痛・下痢などが生じる場合があります。服用量を減らすことで改善することが多いので、服用して腹痛を感じるようであれば速やかに医師・薬剤師に相談するよう注意する必要があります。

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