漢方薬の種類と効能

柴苓湯の効能・効果

柴苓湯(さいれいとう)


風邪が治り切らず、むくみがあるときによく使われます

治り切らない感冒に使われる小柴胡湯(しょうさいことう)に、水分代謝を活性化する五苓散(ごれいさん)を合わせた漢方薬です。風邪の治りが悪くむくむ等の症状に適応します。回復の悪い下痢にも応用されます。甘辛味で、温服が効果的です。

柴苓湯の効能又は効果

吐き気、食欲不振、のどのかわき、排尿が少ないなどの次の諸症:水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、むくみ

小柴胡湯と五苓散の合方で、両方の処方の適応となる症状が同時に出ているものに使用される漢方薬です。

その他の応用

ネフローゼ症候群、特発性血尿、関節リウマチ、感冒性胃腸炎に伴う下痢、特発性顕微鏡的血尿、潰瘍性大腸炎、透析関連骨関節症、サルコイドーシスの眼病変、黄斑浮腫、 滲出性中耳炎、末梢性顔面神経麻痺(Bell 麻痺)、無排卵、多嚢胞性卵巣症候群、不育症・習慣性流産、三叉神経痛、帯状疱疹、急性胃腸炎に伴う嘔吐、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎・lgA腎症、向精神薬による口渇、前立腺肥大、高齢者排尿障害、変形性膝関節症、全身性エリテマトーデス、CDDPによる腎障害、妊娠高血圧症候群、こむらがえり、メニエール病、緑内障、口腔乾燥症等。

柴苓湯の構成生薬

構成生薬 味と性質 作用する漢方的な臓器
柴胡(サイコ) 苦辛・/微寒
心包、肝、三焦、胆
黄苓(オウコン) 苦/寒
肺、肝、胃、大腸
人参(ニンジン) 甘・微苦/微温
脾、肺
半夏(ハンゲ) 辛・温。有毒
脾、胃、肺
甘草(カンゾウ) 甘/平
心、肺、脾、胃
生姜(ショウキョウ) 辛/微温
肺、脾
大棗(タイソウ) 甘/温 脾、胃
猪苓(チョレイ) 甘・淡/温 腎、膀胱
沢瀉(タクシャ) 甘・淡/寒 腎、膀胱
蒼朮(ソウジュツ) 辛・苦/温  脾、胃
茯苓(ブクリョウ) 甘・淡/平 心、脾、腎
生姜(ショウキョウ) 辛/微温 肺、脾
桂皮(ケイヒ) 甘・苦/熱 腎、脾、心、肝

 

柴苓湯の副作用

間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害・黄疸、過敏症、消化器症状、泌尿器症状

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